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2022.2.6

カテゴリー:カラダの豆知識

膝関節膝周辺の負傷を本気で解説

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・オスグッド・シュラッター病
 オスグッド・シュラッター病は10歳代前半(成長期)の男の子に多くスポーツをしているこの方が多くみられます。脛骨粗面部(膝下)に疼痛を訴え腫脹が生じ押さえると強い痛みを訴えます。(骨端症の一つ)

≪発生原因≫
 脛骨粗面の骨化が完成する以前の時期に(=成長期にて骨が成長しきっておらず、まだ、力学的に弱い状態)日常生活動作やスポーツ活動で大腿四頭筋の収縮によって繰り返し牽引することにより発生します。スクワットの様な屈伸運動を継続的に行ったり、ダッシュの様な瞬発的な動きをすることで発生しやすくなる。

≪症状≫
 脛骨粗面部、膝蓋靭帯付着部に疼痛、腫脹、圧痛がみられます。症状が進行するにつれて脛骨粗面部の腫脹は著しく大きくなり、硬くなることもあります。
 治癒しては、再発を繰り返す事があります。骨端の骨化を完了する(成長期終了)18歳頃には症状は消失しますが、脛骨粗面部が膨らみはそのままの事があります。

≪治療法≫
 患部の安静を中心とした保存療法がベストです。特に運動前には十分なストレッチを行い、運動中、運動後には小まめにアイシングを行って炎症を軽減していきます。膝蓋靭帯を押さえるサポーター、テーピングの使用も有効である。

・ジャンパー膝
 ジャンプを頻繁に繰り返すスポーツ選手に多くみられる膝伸展時のスポーツ障害であり、膝蓋骨下部に生じる膝蓋靭帯炎になります。広義には大腿四頭筋炎が含まれる

≪発生原因≫
 急なダッシュや停止、ジャンプ、着地などのスポーツ動作の繰り返しにより、膝関節伸展に過度の張力が加わり発生するオーバーユースシンドローム(over use:使いすぎ)です。
 バレーボール、バスケットボールなどのジャンプを行うスポーツで多く発症します。
≪症状≫
 膝蓋骨下部に疼痛、運動痛、圧痛を認める。膝を深く屈曲すると疼痛が誘発されやすくなります。症状悪化で尻上がり現象(膝関節屈曲時に制限が見られて膝がある一定以上曲がらなくなり曲げようとするとお尻が浮く)がみられる事があります。

≪治療法≫
初期は患部の安静にします。症状が落ち着いてきた頃から大腿部の筋力アップを行います。
この際、ハムストリングスの筋力アップも重要になります。

・半月板損傷
 内・外半月板は大腿骨(太ももを支える骨)と脛骨(主にふくらはぎを支える骨)の関節面に存在します。膝の動きをスムーズにする・衝撃を分散・吸収するなど、多数の機能を持っています。
外傷で半月板を損傷すると膝関節の機能に多大なダメージを与える事となります。

≪発生原因≫
若い方ではスポーツで受傷することが多くなります。膝関節の屈伸+下腿(ふくらはぎのある部分)の回旋が強く加わった際に負傷します。
多くは内側側副靭帯や前十字靭帯(LCL MM MCL:三代兆候)の損傷を合併する事があります。膝関節では、内側と前面を痛めることが多くなります。
高齢者では加齢や使い過ぎによって変性(形)して損傷することがあります。

≪症状≫
 関節部分を中心としたひっかかり感、荷重時痛、圧痛や運動時痛を訴えます。
また、程度によっては下腿の内外旋時に痛みを訴えます。その他、腫脹の症状がみられる事があります。

≪徒手検査≫
 ①マックマレーテスト
 ②圧迫アプライテスト   を行う

≪治療法≫
 年齢に関係なく急性期にはRICEを行います。疼痛が軽減したら物理療法、温罨法、冷罨法を行います。大腿四頭筋やハムストリングスへかけて運動療法(ストレッチや軽い筋トレ)を行います。特に、大腿部内側部分の筋肉を緩めると疼痛が減少する事があります。

 症状のひどいもは手術を行う事があります。(膝関節のロッキングや、歩行障害、半月板の断裂など)

・側副靭帯損傷
 内側側副靭帯は大腿部内側から下腿部内側に付着する靭帯で、外側側副靭帯は大腿部外側から下腿部外側に付着する靭帯です。下腿部や膝関節に負担がかからないように動きを制御限しています。
 内側側副靭帯損傷の方が外側側副靭帯損傷よりも頻度が高くなります。前述でもある様に前十字靭帯と内側半月板損傷を合併することがあります。

≪発生原因≫
 内側側副靭帯は通常の伸展位の状態からX脚のように足先が外側に向く強い外反力が加わり負傷します。スポーツ外傷で多くなっています。

 外側側副靭帯は膝関節伸展位で強い内反力が加わり負傷します。発生頻度としては、かなり低い物になりますが交通事故のような大きな力が加わることで損傷するため、ひどいものになりやすいのです。

≪症状≫
 膝関節に運動時痛、歩行痛、圧痛や腫脹がみられます。
重症の場合は、受傷時に断裂音がします。また、膝関節の不安定感が発生し通常の可動域より広くなってしまいます。

≪徒手検査≫
 ①側方(外反・内反)動揺性テスト
 ②牽引アプライテスト    がある

≪治療法≫
 内側半月板損傷と同じく急性期はRICE処置を行います。関節の不安定感を感じる場合は、膝関節軽度屈曲位で固定を施します。

 症状が軽減した際は、物理療法、温罨法、大腿四頭筋やハムストリングスを中心とした運動療法を行います。この際、不安定感、疼痛を感じる場合はサポーターやテーピングなどを使い補助機能を作る事がオススメです。

・前十字靭帯損傷
 前十字靭帯は膝関節内の大腿骨から下腿部(脛骨)に付着する靭帯です。

≪発生原因≫
 バレーボールのジャンプの着地、柔道の技をかけた際の急な方向転換などで発生することが多くなります。大腿四頭筋に急激に力が加わり発生していると考えられます。
また、ラグビーのタックルの様な相手との接触によって発生する場合もあります。
 
≪症状≫
 負傷時には膝がはずれるような感覚や断裂音を感じる事が多くなります。受傷直後から疼痛、歩行痛、腫脹、膝の不安定感を訴える為、スポーツ活動などの継続は不可能となります。膝の屈曲ができなくなる事が多くなります。
痛みや腫脹が減少しても不安定感やロッキングが残る場合があります。

≪徒手検査≫
前方引き出しテスト(推奨)

≪治療法≫
側副靭帯損傷に類似する。
症状のひどいものは、手術の対応が必要となります。

 完全に断裂した前十字靭帯は保存療法では癒合はしないでしょう。
もし、断裂した状態でスポーツ活動を行うと、ロッキングや膝崩れを起こし危険なだけでなく症状を反復して起こすことになります。これにより関節軟骨や半月板の損傷をきたす可能性が高くなります。
 一方でスポーツを行わず日常生活レベルでロッキングや膝に不安定感を感じない物に関しては保存療法を行う事ができます。

・腸脛靭帯炎
腸脛靭帯は人体最大の人体です。
≪発生原因≫
 繰り返しの腸脛靭帯への摩擦により炎症が生じるover useとなります。ランニング、ダッシュ、スクワットの様な膝関節の屈伸を繰り返す動作により発症するのが一般的です。
スポーツプレー中に相手選手の膝が当たるなどの外相を伴って発生することもあります。

≪症状≫
 膝間接屈伸痛、膝関節外側部に圧痛、運動時痛、軽度の腫張がみられます。

≪治療法≫
 患部の安静、物理療法、ストレッチ、手技を十分に行います。

・変形性膝関節症
 原因はさまざまで、繰り返しの摩擦、病的なもの、加齢などがあります。
 変形性膝関節症は、多くは50歳代以降の女性に多く発症します。また、外側半月より内側半月が多くなります。

≪症状≫
 階段の昇降(特に降りる時)歩行時や動作開始時に痛みを訴える事が多いです。
 また、気圧の変化がある時や寒い時に症状を訴える方が増加します。

≪治療法≫
 激しい運動はせず、大腿部の筋力強化や体重の減量を積極的に行います。
(ただし、膝に疼痛を感じる場合は膝関節の屈伸を避ける方が良い)
 気圧の変化や寒冷に対しては、温罨法が有効的です。

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