・足関節、足部の捻挫
足関節は脛骨、腓骨、距骨によって構成される関節です。
足関節の捻挫は日常的に多くみられる外傷です。外側側副靭帯損傷と内側側副靭帯損傷があります。
外側側副靭帯損傷(特に多い)
多くは足関節を内がえしすることによって発生します。また、足関節が固定され下腿が回旋された場合も発生します。外側側副靭帯の中でも前距腓靭帯がもっとも多くみられる損傷です。
前距腓靭帯には足関節の内がえしを抑制する機能と距骨の前方移動を制御する機能があります。したがって損傷によって足関節内反動揺性がみられるようになる場合があります。
≪症状≫
足関節外側部に疼痛、腫脹がみられます。重傷の場合は外果下方に皮下出血が発生し歩行痛が強くなったり立ち上がりが困難になります。
受傷後の経過と疼痛や腫脹などの損傷程度が必ずしも一致するとは限りません。
(例:痛みが少ないが腫れがすごい)
≪治療法≫
負傷初期にはRICE処置(特に冷罨法)を行い、固定を行います。腫脹が激しい場合は高くあげていた方が良い場合もあります。固定はサポーター、テーピング、厚紙副子、シーネ固定など状態を見て変化させます。
通常は2~3週間で固定を外すことができるが患部の腫脹の状況や不安定性の状態によっては長期を要するものがあります。靭帯の完全断裂が見られる場合は1ヶ月以上の長期療養となります。
物理療法、手技療法を行います。固定時の関節拘縮防止の観点から足指部の運動療法を行なっていきます。
スポーツを行う場合は再発の可能性が大きい為、治癒後数ヶ月は、サポーター固定もしくはテーピング固定をした方が無難です。
固定がうまくいっていなかったりや固定期間不足により慢性化する恐れもあります。
・外反母趾
外反母趾は足の第1指の第1関節(MP関節)で外反する足指の変形です。
女性に多く見られ、原因は色々考えられます。代表的な原因でハイヒールなどつま先の細い靴や内側縦アーチの低下(扁平足)があげられます。
≪症状≫
第1指MP関節部に疼痛および外反変形がみられる。患部の変形によって靴擦れなどを起こすこともあります。
≪治療法≫
物理療法、専用サポーター、足底板の挿入(内側縦アーチの形成)、靴の指導などを行いますが、治癒が難しいものが多くなります。